人生を語るには、早すぎるなんて言わせない。ぼくは今日から、トクベツな子どもになることにした―何をやっても、みんなと同じに出来ないワタルは、ある日死んだ父親に関する重大な秘密を発見する。その瞬間から、少年の孤独なサバイバルゲームは始まった。「自分」を生きるため、本当に大切なことって何?『明日の記憶』の著者が描く、今ここにいることの奇跡。感動青春大作。17歳の哀しみと温もりが、いま鮮やかに甦る。
なんかまたすっごい本読んじゃったよ〜って声を大にして叫びたい。
たった今読み終わったばかり。
それにしても荻原さんってなんて引き出しが多いのだろう。
まだまだ隠し持っているに違いない引き出しを想像すると次回作がワクワクしてくる。
まだ未読の本が結構あることに気づいた。
『誘拐ラプソディー』や『メリーゴーランド』他にもある。
さてさて、感想を。
ひと言でいうとスケールがでかすぎる。
話は主人公南山ワタルの幼稚園時代からはじまる。
ワタルは同級生とちょっとどころではない、かなり外見が違う。
身長も高いし、髪や目の色とにかく日本人離れしている。
そして並外れた足の速さ。
小学生になり田舎の学校に通うワタルは仲間はずれでいつも孤独だった。
そんな時に知り合ったのが、転校生のサチ。
ある事情から古代石器に興味を持つワタルは山道を歩いて、川で遊ぶのが日課だった。
ワタルの遊びにいつもついて来たサチ。
中学、高校と2人は成長していく。すれ違ったりしながらもお互いの心はいつもつながっていた。この2人がとってもかわいい。ワタルの純粋さが美しいくらい。
純粋がゆえに時には
「それやり過ぎだよ〜」
とワタルに言いたくなる時もあった。
中学では陸上部に入部する。高校生になっても陸上は続けた。そしてインターハイに出場。サチはもちろん、中学の友だち高校の同級生みんなが活躍を見守ってくれる。
途中、それでいいの?という疑問もあったが全部ひっくるめて、まっいいか。
僕が生きていることを、ぼくがここに存在していることを、みんなが認めてくれている。祝福を送ってくれている、そのことへの返礼のことばだ。(文中より)
この本はきっと中学生でも読める本だろう。
今、子供達が自ら命を絶っていく事件が後を絶たない。
とりあえずこの本を読んでみて欲しい。きっと何か感じ取れるものがあるはずだから。