しがない貧乏学生・戸村流平にとって、その日は厄日そのものだった。彼を手ひどく振った恋人が、背中を刺され、4階から突き落とされて死亡。その夜、一緒だった先輩も、流平が気づかぬ間に、浴室で刺されて殺されていたのだ!かくして、二つの殺人事件の第一容疑者となった流平の運命やいかに?ユーモア本格ミステリの新鋭が放つ、面白過ぎるデビュー作。
まずはこの場でお礼を。
ひなたでゆるりのリサさん、本当にありがとうございます。
こんなおもしろい文章書く人いるんだ。
しかも本格的ミステリー。
ねぇ、ねぇ、みんな本当におもしろいよ。
久々のミステリーだった。
どうしてこうなっちゃたの? これからどうなる? 動機は一体???
といった具合に頭の中は
でいっぱい。
これぞミステリーだよね。
容疑者として警察に追われる戸村流平。そして探偵の鵜飼杜夫との名コンビ炸裂。
砂川警部と部下の志木刑事こちらのコンビもまたいい味出してる。
この本は冒頭からエピローグまで笑わせてくれる。
ツボにはまってしまうと含み笑いでなく、ガハガハこらえるのがつらいくらいに笑ってしまうだろう。
しかし、冒頭にも書いたがこの本は本格的ミステリーである。
ユーモアだけでなく、ミステリーの本質的な部分でも抜かりのない巧みな文章。
最後はがっかりさせないということは、当たり前だが最初から計算されている。
解説によると光文社から出ているいずれの作品にもこの小説の舞台でもある、烏賊川市や戸村流平、鵜飼杜夫が出てくるらしい。今年中に制覇できるかな。
今年の目標でもあり、今後の課題でもある新しい作家さんの開拓が出来てとてもうれしい。そして1人でも多くの人にこの東川篤哉さんという名前を知ってもらいたい。