母親と二人暮らしをしていたまちるははたちの誕生日直前、死んだと思っていた父からマンションを相続する。元恋人の幼なじみや、父の同居人だった女性との奇妙な友情。新しい部屋で重ねる日常。少しずつ自立していく、まちる…。諦念とユーモアをやわらかな会話で紡ぐ秀作。第26回すばる文学賞受賞。
ハミザベス
豆姉妹
の2編。
『ハミザベス』。私はてっきり、はさみを持った人が出てくる怖い話かと思いずっと
敬遠していた本。どうしてハミザベス=はさみに結びつくのか。言葉がちょっと似ているというだけの理由。
結果、読んでよかった。
ハミザベスに出てくる梅子の娘まちると、豆姉妹に登場する永子の妹の末美は性格が似ている気がする。
ハミザベスの意味はね〜。
それを書いてしまうとネタバレかな。たいした理由でもないけど。
どちらの話も会話が多く、さらっと読める本。
きっと栗田さんは接客業をした経験があるに違いない。
それもかなりの接客魂を持っている。
私は、レジカウンターの後ろで、店内にいるお客さんと、これから店に入ってくるかもしれないお客さんを、意識するのが好きだったのだ。バイトは決して楽しくはなかった。けれど、全身が客を待ち構えて緊張している、あの感覚は忘れられない。
私は、そういうふうに働きたいのかもしれない。(本文より抜粋)
私は学生時代、アルバイトした接客業にここまでの思いはなかった。
しかし7月まで働いたお店のレジの先輩から、レジ担当でいる事の辛さやそれ以上の喜びを学んだ。だからまたウエイトレスというまた違う職業ではあるが、学生時代に経験したウエイトレスの仕事を選んだ。昔やっていたからこの世界に飛び込めたということもある。
まだ仕事が始まって間もないが心から接客の仕事を楽しんでいる。
前のお店はいかに気持ちよくお買い物をしていただくか、今はおいしく楽しくお食事をしてもらいたいという気持ちに変わってきた。
お〜、話が大分それてしまった。
栗田さんの他の本も読んでみよう。