「速くなる」
ただそれだけを目指して走る。
白い広い何もない、虚空に向かって…………。
春野台高校陸上部。とくに強豪でもないこの部に入部した2人のスプリンター。ひたすらに走る、そのことが次第に2人を変え、そして、部を変える。「おまえらがマジで競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」思わず胸が熱くなる、とびきりの陸上青春小説、誕生。
もうこんなに熱い小説を読んだのはどの本以来だろうか。
文章に無駄が全くないし、読み手を飽きさせない。
まだ読んでない方、図書館へ走るなり書店へ駆け込むなりとにかく早く読んでみて欲しい。
私は全く陸上はわからない。それなのにこんなにも熱くさせるのは何か。不思議だ。
陸上がテーマの本ということで運動音痴の私は敬遠していた。
でも他の方のブログや文芸評論家の書評などを拝見するととてもいい評価なので、
これはとりあえず抑えておかねばと思った。
春野台高校陸上部に所属する主人公神谷新二。この家族両親そして兄はサッカー一家。
兄はジュビロ磐田にスカウトされるほどの生まれ持った才能があるのではないかというほどのサッカー選手。両親はマリノスを愛す。新二は自分にはサッカーの才能はないと思い、陸上部へ入部。幼馴染の一ノ瀬連も一緒に。この連がすごいんだ。
彼も生まれつきのスプリンターとしての素質を持つ。他校の生徒も大会や合宿などで注目している選手。その連に完全に負けている新二。いい意味で刺激を受けるライバル同士。
刺激を受けているのは新二の方。連の方は他人の目は全く気にしていない。
そして陸上部の辛い練習や合宿、恋愛の話など話題は尽きない。本当に彼等かっこいいんだよ〜
おもしろいのなんのって。読んでない人早く読まないと損だよ。
何が損なのか私にもわからないがとにかく早く読んで!!
今は『一瞬の風になれ第二部--ヨウイ--』に入ったよ。