生きてるだけで、愛
本谷 有希子
あんたと別れてもいいけど、あたしはさ、あたしと別れられないんだよね、一生。母譲りの躁鬱をもてあます寧子と寡黙な津奈木。ほとばしる言葉で描かれた恋愛小説の新しいカタチ。
なんだかスッゴイ本だった。
はじめて読んだタイプの本だ。今までの私だったら途中で投げ出していたに違いない。
かなり過激というかエキセントリックである。
私の勤める職場に職場に寧子のような女性がいるのだ。だから少しでもわかりたいというか何かヒントを得たくて読んでいた部分もある。ある意味、寧子と同棲している津奈木の元彼女の安堂に似ているのかも。本人にすれば全然違うと言うかも知れないが。。。
こんな事ブログのネタにするのは嫌だけど、たまたま読んだ本が私の今の気持ちにピッタリとリンクしてしまったのだ。
寧子と安堂は似た者同士ではないか。
「生きてるだけで、愛」のラストは少し救いがあって良かった。ホッとしたという気持ちでいっぱい。少しでも中途半端に終わっていたら読者の精神的にも辛くなるのではないか。
本谷さんの他の作品を挑戦する意欲はまだない。
そのうち、いつかまた別の本を読んでみようと思う。